「SEO対策」のご相談にみる、よくある誤解

弊社ではネットショップを新規に制作するよりも、既存ショップのカスタマイズを承るほうが圧倒的に多いです。

その中でもダントツに多いのは、やはり「SEO対策」に関するご相談です。

しかしながら、このSEOというのはあまりに広義ですので、ご依頼いただくショップ様がどのようにお考えなのかを認識の溝を埋めていくところからスタートします。

お話を伺っていると、あぁ〜これは先に誤解を解いておく必要があるなと感じることもしばしばですので、ここにまとめておきたいと思います。順不同。

SEO対策に特効薬は無い

20年前ならいざ知らず、「これさえやっておけば検索順位が爆上がり!」のような魔法のツールはありません。そんなものがあるなら私が欲しいです。

じゃあ何をやっているかと問われれば、ひたすらデータとにらめっこしながら行う、地道な作業の積み重ねです。ですので時間もかかりますし常にトライ&エラーです。

作業完了したら翌日から検索結果が上昇!、、しません。

無事に納品が済んだ3日後ぐらいに「検索順位が変わってない」とご相談いただくことがありますが、そんなすぐに結果が出るものではありません。せめて2,3か月は待ってみてください。

SEO対策やってもらったから、今後は放置しておいても大丈夫ですよね?

全然大丈夫ではありません。

常に最新の情報が掲載されているかどうか(サイトの更新頻度)も、検索順位を決定する大切な要素です。

3ヶ月ぐらい放置しておけば、徐々にサイト評価にマイナス影響が出てくると思います。

SEO対策しっかりしておけば、SNSなんてやらなくても良いでしょ?

やるやらないは自由ですが、5年後どうなっているか分からないのがWEBの世界だと思っています。

もしSEO(検索結果からの訪問)が無価値になってしまったらどうするのでしょう。

試験的に日本でもSGE(Google Search Generative Experienc)がスタートし、現状では「これまでと大きく変わるものではない」と言われていますが、今後どうなるかは誰にも分かりません。

SGEを持ち出すまでもなく、すでに現状でもSNSに注力されているショップ様とそうでないショップ様には目に見える違いがあります。

SEOに強いテンプレート/テーマを入れているから大丈夫ですよね?

「SEOに強い」という言葉には、(「適切にサイトやコンテンツを作成・更新していけば」)という枕詞がつきます。

結局大事なのは中身です。

たとえば「HTML LSに準じた適切なマークアップ&内部リンクも万全&ページタイトルもきちんと設定! だがコンテンツの少ないサイト」よりも、「カビの生えたテンプレートだが細部まで作り込み&いまも更新され続けているサイト」 の方が圧倒的に有利です。

類似の誤解として、「ちゃんとした制作会社に作ってもらったから大丈夫」もあります。

Webサイトは作ってからが本番です。

何を売りたいのか決まっていない

SEOとは検索順位の最適化ですが、どのような検索ワードで上昇したいのかが決まっていないと対応しようがありません。

仮に検索1位をとれるワードを多く作ることに成功したとしても、それが商品に全く関係なく売上につながらなければ無意味です。

かつて知人の勤めていた会社(卸売・小売)で実際に起きた話ですが、年間600万円の契約でSEOコンサルを雇いました。

ブログブームも下降しはじめた頃でしたが、コンサルは「販売アイテムに関連したブログを毎日書く」ことを提案。

毎日斬新な記事が書ければすごいですが、そうもいかないので薄っぺらい豆知識のようなブログが量産され、いくつかのワードで検索1位を獲得できるようになりましたが、今その会社はありません。

「何を売りたいのか」 -> 「その商品を買いたいと思う人は、どんなことを知りたいだろうか」「こういう話題に興味がある人は、うちの商品にも関心があるのでは?」などなど、屋台骨となる明確な目標があり、そこから派生してコンテンツを増やしていくのが理想です。

これまでお受けしてきた実際のご依頼でも、特定の商品の順位をもっと上げたいのか、商品ページではなくカテゴリーページを上げたいのか、ショップ様の運営方針や商材によって異なりますので、目的が明確であればあるほど、対策を考えやすくなります。

SEO対策ってボッタクリでしょ。

他社の事情は分かりませんが、少なくとも弊社は作業時間を考えると割安だと思っているのですが。

まとめ

そういうわけですのでSEO対策には時間もかかりますし、即効性を期待できるものでもありません。

手垢のついた言葉ですが「ユーザー目線でサイトを俯瞰」し、1つずつ改善策を積み重ねていくだけです。

矛盾しているようですが、時間をかけてSEO対策をつづけ、多くのユーザーに支持されるショップになれたなら、その頃にはSEOを必要としないショップになっていると思います。