アメリカではアマゾン、e-bayに続き3番目にユーザーの多いネットショップ構築サービス【Shopify】(ショッピファイ と読みます)。2006年に設立された新興の会社ですが爆発的にユーザーを増やし、現在では世界80万店以上のショップが利用、ECプラットフォームのシェア率では世界トップです。
そんなshopifyの日本法人が2017年末にでき、「遂にshopifyが日本にきた!」と騒がれていたのですが試す機会のないまま今日に至ります。
ようやく重い腰をあげ色々さわってみたのですが、感想をひと言でまとめると、
「これはネットショップオーナーが売ることに専念するためのECプラットフォームだ」
です。
書きたいことが多くてどうしても長くなりますが、できるだけ簡潔にショッピファイのメリットとデメリット。使ってみた感想などをまとめておきます。
もくじ
shopifyのメリット
shopifyは「 “売れているショップが実践していること” をshopifyの基本機能に反映させ、そこに各ショップがのぞむ機能を自分で追加できる」という形をとることで、売れるショップを作りやすくなっているのだそう。進化するECプラットフォームですね。私が抱いた感想もあながち間違ってなかったようです。
本当に基本性能だけでも素晴らしいと思いました。以下感じたメリットです。
決済導入が早くて便利
基本的にすぐ使える決済方法として「shopifyペイメント」と「Paypal」が用意されています。
shopifyペイメントは【VISA MASTER AMEX AmazonPay GooglePay】が利用できる決済サービス。(使いたくない決済方法は非表示にできます。)
手数料は3.24% 〜3.4%(Amexのみ3.8%〜3.9%)
振込手数料や注文手数料(ロイヤリティ)は0円なので、かなり良心的です。
PaypalはPaypalの手数料率に準じます(3.6%+40円)
shopifyに登録すると自動でPaypal決済が利用可能になっています。すでにPaypalアカウントを持っている場合は自社のアカウントに設定可能。
shopifyペイメント以外の決済方法も導入可能。
JCBなど国内ブランドのクレジットカードやコンビニ決済・仮想通貨などについては、「決済設定 > 代替決済サービス」から追加可能。
銀行振込や商品代引は「手動の決済方法」から追加可能です。
ただし、shopifyペイメントと手動決済以外の決済の場合、クレジットカード手数料と別に注文手数料(3.25% 〜3.4%)が発生します。
(参照:「【保存版】Shopifyで使える決済サービス」)
主要配送との連携がスムーズ
配送会社の設定画面がまだ海外メインなので少し分かりにくいのですが、管理画面から「アプリ管理」=> 「SHIP & CO」(有料)を検索して追加することで、ヤマト運輸・佐川・日本郵政など主だった配送会社と連携できます。
配送伝票の作成から配送状況の追跡・管理がショッピファイで一元管理できるので非常に効率的です。
FB・IG・WPでの一元販売管理が無料
Facebookショッピングやインスタグラムショッピングとの連携・商品の出品・管理が全て無料で行えます。
shopifyで作った自社ネットショップとSNSショッピングで在庫や注文状況を共有管理できるので、より効率的な販促や在庫管理が可能に。
FBメッセンジャーを利用したチャットでお客様対応を行い、直接商品ページに誘導する という使い方も可能に。
他に、購入ボタンをWordpressに設置することで利用できる外部販売機能もあります。
カラーミーショップ [PR]でいうところの「どこでもカラーミー」です。もちろん無料機能。
SNSショッピングへのマーケティング機能(広告管理・分析)も行えるので特にSNS経由での受注が多いショップには有益です。
Google、SNSマーケティング
先ほどと少しかぶりますが、Facebookマーケティングアプリ・Googleマーチャントセンターと同期することができ、商品の広告出稿やマーケティング分析を簡単に行うことができます。
分析画面が、必要なものだけ綺麗に整っているので少し感動しました。
ここまでで一旦まとめると、Shopifyの魅力は「決済・配送・マーケティングを全て一元管理する効率性の追求」にあると感じました。
そのために、他のことは簡単に済ませることが出来るようになっている印象です。その辺りが以下のメリットに表れています。
SEOに強いサイトが作れる
基本テーマのコードを見てみましたが、Gridレイアウトで見やすい&分かりやすい構成になっており、商品の構造化データもJSON-LDで自動的に挿入されるので全く触らなくてもいいと思います。
他社サービス同様、商品の個別編集でhead内のtitleとdescriptionも編集できます。
また、ショップ内でフリーページやブログ機能が初期状態から利用できるので、サイトボリュームそのものを大きくすることができます。
サイトボリューム(全体のページ数)が大きいことがSEO面で重要なのは言うに及ばずです。
デザイン編集は直感的に
他社サービスと同じくテンプレートを選択すれば自動的にショップデザインは完了です。
ワードプレスと同じくライブプレビューを見ながらデザインカスタマイズできるので、htmlの知識が無くても本当に問題なくデザインを仕上げることができます。
もちろんコードの編集から、各パーツのHTML編集やCSS編集も可能です。
ちなみにCSSはscssで書かれており、編集場所は【 Assets 】のtheme.scss.liquidファイルです。
越境ECを作りやすい
なにしろ世界シェア第1位ですから各言語への対応・各国の税率計算や通貨換算、配送会社の設定も非常にスムーズに設定できます。
shopifyペイメントとPaypalで決済についてはほぼ全世界対応できますし、本当に世界規模のECプラットフォームだなと感じます。
私は今のところ海外に展開するつもりがないのでなんですが、海外への販売を検討しているお店・会社には本気でおすすめしたいところ。
無料ツールが優秀すぎる
これ全部書くと長くなるので別記事に書きますが、「ロゴ生成ツール」とか便利すぎです。無料でいいのか?と思いました。
ショッピファイ導入の初期費用や利用料
最初にかかる初期費用は全プラン共通で無料。
毎月の利用料として、プランごとに29$から299$が必要です。(執筆時のレートで、約3,131円から約31,314円)
多くのショップは29$のベーシックプランで十分だと思います。
ベーシックプランより高度な分析やサポート体制の強化、多地域(国)への販売を考えているならプランアップしていけば良いかと。
なおプランのアップグレード、ダウングレードなどは随時行えます。
月額3,000円ちょいなので、らくうるカートやカラーミーショップ [PR]のレギュラープランと同じぐらいですね。
それ以外の手数料としては、shopifyペイメント以外のカード決済を行った場合に3%台の注文手数料が発生しますが、shopifyペイメントのみを利用している場合は注文処理手数料なし。月額料金のみで運営できます。
売上の入金スケジュール
1週間を月曜日スタートで考えて、翌週の金曜日に振り込まれます。
shopifyペイメント利用の場合、振込手数料は不要です。
ショッピファイのデメリット
日本のshopifyはまだ完成形でなく開発途上なのだという感じなので、デメリットというよりも要改善点と言えますが、感じたのは主に2点。
まだ英語表記が残っている。
主要なページはほぼ全て日本語化されていますが、ときどき英語オンリーのページが出てきます。大して難しいことは書いてないのですが、外資が日本でビジネス展開するのを阻む最強の敵ですね。
日本の決済会社・配送にまるごと対応してほしい
すでにアプリ利用で国内ブランドや配送会社との連携は出来ますが、パッとみてすぐに出来るものではありませんでした。
日本向けのカード決済パッケージ化は現在すすんでいるそうなので、次は配送サービスも分かりやすくしてほしいです。
ネットで見かけたshopifyのデメリット
すでにショッピファイを利用している人の評価や口コミをさがしてみました。
多かったのは以下の3つ。
- ポイント制度がない
- 無料プランがほしい
- サポートがまだ弱い
あぁなるほど。と思う3点です。顧客を絞り込んで割引クーポンコードの発行は出来ますが、ポイントシステムはないですね。
日本ローカライズ化にあわせ今後導入されるでしょうか?
2週間無料で試せる
ショッピファイは14日間のトライアル期間を設けています。
クレジットカードや身分証の登録などは必要なく、メールアドレスだけ登録すれば審査なしに2週間のお試し期間が利用できます(氏名や住所も記入しますがチェックされることはありません)。
個人的には今後間違いなく台頭してくるサービスだと感じましたが、合うか否かは人によっても違うと思います。
ぜひご自身で実際にshopifyをさわってみてください。