初めてのネットショップに何を選ぶ? 7社の特徴と短所を比較


5月頃にも書きましたが、コロナによる外出自粛以降、新しくネットショップを始めようかというお店がかなり増えました。6月頃に落ち着いた感がありますが、今でも少しずつ増えているようです。

しかしネットショップ(ショッピングカートシステム)を提供しているサービスは100近くあります。
いざネットショップを始めようとしたところで、多くの方が「どのネットショップが良いのか?」という疑問にぶち当たり、調べれば調べるほど分からなくなって途方に暮れているのではないでしょうか?

全てのネットショップを比較するわけにもいかないので、よく耳にするサービス7社に絞り、それぞれの特徴とデメリット、向き不向きを端的にまとめておきたいと思います。やや悪しざまな書き方をしますが、どれも決して悪いサービスというわけではありません。最初に弁明しておきます。
いわゆる自社ショップに限った話で楽天・AMAZONなどのモール型サービスは除きます。

今回ご紹介するのは

  • カラーミーショップ
  • らくうるカート
  • shopify(ショッピファイ)
  • stores(ストアーズ)
  • easy my shop
  • BASE
  • ショップサーブ

の7社です。

基本目線を個人事業、あるいは小規模なネットショップ(月商0〜50万円)にしているので、法人、中規模以上のネットショップには「法人・中規模以上におすすめのネットショップASP」をご覧ください。

https://mihune-web.com/blog/ecshop/make-shop/

「目標売上」をいくらに設定するか

ネットショップを比較検討する際、最初に目標売上を明確に決めねばなりません。
「経費がいくら掛かっても構わない」という方はいざ知らず、極力ネットショップにかかるコストを抑え、利益を最大化したいからです。

これは自分自身の過去の反省から来ていることで、ネットショップではコストをしっかり意識していないと、「売上は上がっても利益が残らない」が起こりやすいからです。
目標金額に適したサービスを選ぶことは、余計な手間やコストを省き、ひいては事業を継続させるために非常に大切なことです。

ネットショップ運営にかかる費用

ネットショップ運営にかかる費用をまとめておくと以下の費用が必要です。(サービスや料金プランによって必要ないものもあります)

初期費用サービス登録時に発生。3,000〜5,000円が多い
月額費用毎月のシステム利用料
決済手数料決済サービスの利用料。多くが3〜5%
売上手数料安いプランなどに多い。送料も含めた売上に対して発生。多くが1%
振込手数料売上が振り込まれる際に発生

各ネットショップサービス比較

メリットについてはあまり書きません。実際大差ないと思っています。

カラーミーショップの特徴とデメリット

カラーミーショップのロゴ
カラーミーショップの特徴としては、決済方法・機能などを容易に組み込むことができる自由度の高さにあります。もちろん初期標準の機能だけでも問題ありません。私は標準機能のみで運営しています。

売上手数料が無く、月額固定費(834円〜7,223円)と決済手数料(決済方法による)のみが掛かるので売上が上がるほど利益も上がりやすいサービスです。

カラーミーショップのデメリットは2点。
1つはショップサイトがxhtml時代のままなこと。現在のサイトはほとんどがhtml5ですが、いまだにxhtmlサイトのままです。文字コードもeuc-jpなので、稀に文字化けも発生します。ついでに言うと、画像管理は最低レベル。

もう1つは軽微なシステムトラブルが多いこと。
ショップサイトが表示されないような大きなトラブルは減りましたし、運営側もサーバー・データベースの安定に努めているとは言っていますが、いまだ不安定さは否定できません。

初期費用3,000円*稀に無料キャンペーンあり
月額費用834円・3,000円・7,223円
決済手数料決済会社による。5%前後
売上手数料なし
振込手数料決済会社による

らくうるカートの特徴とデメリット

らくうるカートのロゴ
最大の特徴は、ヤマト運輸利用者にとっては非常に便利な包括型サービスであること。
注文管理・配送管理(配送伝票作成も含む)・入金管理のを一元管理&自動化できるので、事務処理にかかる時間はかなり削減できます。スマホだけで商品登録できる独自機能など少人数の事業社向き

制作側視点で嬉しいのは、headタグの中まで自由編集できるのでデザインカスタマイズは非常にやりやすいです。商品のオプションも細かく設定できる(オプションごとにJANや個別送料、販売価格、商品画像を登録できる)のも嬉しい。

デメリットは包括サービス故の自由度の低さ
例えば他社決済を導入しようにもapi接続などは出来ないので手作業で決済を行う必要がある、他社配送を利用する場合は送り状の発行・注文との紐付けは同じく手作業になるなど。他社配送と契約しているなら、らくうるカートを使うメリットはあまりありません。
あとレビュー機能がありません。(= 構造化データでエラーになる)

初期費用3,000円・5,000円(プランによる)
月額費用300円・3,000円・13,000円
決済手数料5%
売上手数料なし(300円プランは1%)
振込手数料100円

shopify(ショッピファイ)の特徴とデメリット

shopify logo
マーケティング(広告やSNSを利用した集客→販売)に全振りしたアメリカ発のサービス。
売れているお店”のモデル(デザインや販売方法)をパッケージ化することで制作などのコストを削減し、「集客」「在庫管理」「決済」「配送」を1つに集約し管理することで、作業の効率最大化を目指す印象。


理念は素晴らしいと思えますが、日本では当たり前になっている配送日時指定などが標準でカバーしきれておらず、そこをカバーしようとすると、どんどん有料アプリを追加する羽目になって逆にコストがかさんでいくのが残念。

特筆すべきは、世界規模に展開しているサービスなので、現地との通貨自動計算や国際便の利用など、越境ECには非常に強いです。海外展開を考えているのなら間違いなくおすすめします。

ショップオーナーを「売る」ことだけに専念させようという理念と機能は本当に優れているので、野心のある方はかるく触ってみてください。メールアドレスの登録だけで14日間お試し利用できます。

初期費用無料
月額費用$29・$79・$299
決済手数料3.25 – 3.4%(*shopifyペイメント利用時)
売上手数料なし(*shopifyペイメント以外の決済には1 – 2%)
振込手数料shopifyペイメントの場合0円

stores(ストアーズ)の特徴

デザインに凝ったりせず手軽にネットショップを始めるなら最適解
無料プランでも十分な機能。テンプレート編集はできないのでデザインにオリジナリティを求めることはできません。
売上げ入金は月1回。売上合計が10,000円未満の場合は繰越し。10,000円未満でも入金希望の場合は別途事務手数料275円。

初期費用無料
月額費用無料・1,980円
決済手数料5% ・3.6%
売上手数料なし
振込手数料275円

easy my shop(イージーマイショップ)の特徴

eas my shopのロゴ
無料プランでさえ豊富な機能をもつ出来すぎたサービス。
テンプレートデザインも自由に編集可能ですが、コンポーネントが細かく分かれており変数や構成を理解していないと難しく感じるかも知れません。

storesが無料ショップの初心者最適ショップなら、easy my shopは上級者向けの最適解。
売上げ入金は月1回。月2回に変更する場合は別途手数料2,000円。売上合計が5,000円未満の場合は繰越し。

初期費用無料
月額費用無料・2,700円・5,400円
決済手数料5% + 40円 ・3.57% + 40円
売上手数料なし
振込手数料250円

BASE(ベイス)の特徴とデメリット

ユーザー100万人突破の、ずば抜けて利用者が多い無料ネットショップ。ネットショップに必要な諸手続き(決済会社との契約等)が一切必要ないので、とにかく簡単&スピーディにショップオープンが可能

反面、手数料が割高なので多くの売上を目指すならおすすめは出来ません

決済が「BASEかんたん決済」に一本化されている為、銀行振込決済の場合でも一度BASEに収納され、決済手数料の対象となります。

初期費用無料
月額費用無料
決済手数料3.6% + 40円
売上手数料3%
振込手数料250円+事務手数料
事務手数料振込み金額が2万円未満の場合のみ500円必要

ショップサーブ

E-Store ロゴ
月額費が1万円〜と、これまでのサービスと比べると高額ですが、その分かなりの機能を誇る老舗サービスです。
しかし例えばeasy my shopのように無料でも非常に高性能なサービスも出てきていますので、かつてほどの威光は感じられなくなりました

WEBの進化は恐ろしいほど猛スピードなので、古くからあるサービスほど現在の基準に合わせないといけなくなり大変だろうなと感じます。
カラーミーがいつまでもxhtmlサイトのままなのも同じような理由でしょう。

初期費用15,000円
月額費用11,400円〜50,000円
決済手数料3.675%〜
売上手数料34円
振込手数料無料〜1.3%(*入金回数によって変動。最大月6回入金)

完璧なネットショップは存在しない

デメリット主体に書くのは心が痛みましたが()、どのサービスも優れたサービスであるというのは改めて念押ししておきたいところです。

低コストで集客もできて売上があがる完璧なサービスなんて有り得ません。
では自社が導入するならどこに主眼を置くべきか、で一番合いそうなサービスを判断してもらえればと思います。
判断材料として、少しでもお役に立てれば幸いです。