一体型サイトのデメリット

はじめに

今回はデータを集めたわけでもなく、完全に個人の経験にのみ従った話ですので、当てはまるケースもそうでないケースもあると思いますが、実際にこのようなことが起こりうるという体で読み進めてくだされば幸いです。

WordPressでホームページを作る

(かすかに脱Wordpressの気配も感じられないでもないですが)、猫も杓子もWordpressでサイト構築する昨今。
Wordpressの固定ページでお店のホームページや販売用ページを作成し、ブログと一体型のサイトを構築していく。そうすることでサイトボリュームを大きくする、、という実例はあちこちで見受けられます。

 

サイトボリュームを増やすことがSEOにプラスに働くのは間違いないでしょうし、私自身も同じ手法でこれまでいくつかサイトを作ってきましたから、それを非難する意図は一切ありません。

今回の主旨は問題提起でも糾弾でもなく、単に「ブログとホームページを同じドメインにしない方がいい場合もあったよ」というシンプルな話です。

 

同じドメインでうまくいってるサイトもある

同一ドメインのショップページとブログが全て悪いと言っているわけではないので、
ブログで集客、ブログ記事から商品ページへ誘導 → 購入(または来店予約など) という王道パターンに成功しているサイトももちろんあります。

 

この場合、最終的に購入してほしい商品が「A」という名前だとすると、ランディングページとなるブログ記事は「A + 関連ワード」の内容です。
この形で構築できていれば、最初はブログ記事が検索上位であっても最終的に「A」そのもののページが検索上位に表示されてくることが期待されます。

これを踏まえて、上手くいかなかったサイトは何がいけないのかを比較してみました

違うドメインの方がうまくいったサイト

狙いはもちろん「ブログで集客→購入・予約・来店」ですが、これがうまく行かなかったサイトはざっくり2パターンでした。

 

関係ないこと書きすぎ

これは飲食店や美容院、サロンなどによく見られたパターンです。
ホームページとブログを同一サイトにまとめ、おそらく「毎日ブログ更新」を義務付けられていたのでしょうか、懸命に毎日更新しているのですが早々にブログのネタもつき、外食した話や旅行に行った話など完全に個人ブログ化。もちろんブログからホームページへのアクセスは極わずか。

 

ブログ継続歴が長くなればなるほどに、サイトの中で個人ブログが占める割合が大きくなるので検索エンジンでお店ページ部分への評価も上がらず、もはや何のためにブログをしているのか分かりません。

 

ホームページ部分と使えそうなブログ記事以外を別ドメインに引っ越しさせ3ヶ月ほど様子を見たところホームページの検索順位、PV/セッション数、予約数に改善が見られました。

 

ブログ読者のペルソナ設定が悪かったパターン

次の例は、通販ショップとブログを同じWordpressで構築したECサイト。
カラーミーショップの外部カート(どこでもカラーミーjs)を利用し、固定ページで商品ページを作っていました。

 

ブログ担当の方にある程度SEOの知識もあり、関連キーワードなどをご自身できちんと調べ、どんどん記事を更新していきました(現在で500〜600記事ぐらいになっていると思います)。

しかし誠に残念ながら、ブログからショップページへの誘導は全くうまくいきませんでした。SEOやキーワードにとらわれたあまり、読者の想定をしていなかったためです。

 

仮想顧客に向けたキーワード選びが必要

仮にこの残念なショップを、1本10万円以上の高級ワインだけを扱っているお店だとします。

 

担当者の方は「ワイン」の関連キーワードを調べ、「ワイン開け方」「ワイン 度数」「ワイングラス」などキーワード候補を片っ端からブログで網羅していきました。

しかし、ワインの開け方も知らない人が高級ワインを買う確率は低いでしょうし、「ワイングラス」の人はグラスを購入しようとしているのであってワインを購入しようとしているわけではない可能性が高いです。

うまくいったお店の「A + 関連ワード」の形でいえば、A(商品)が漠然とし過ぎていたのです。

 

結果として、「ワイン」というビッグワードでもそれなりに上位表示されるようになりましたが、購入に結びつきにくいキーワードにばかりアクセスが偏り、肝心の売れ行きは芳しくない状況になってしまいました。

 

こちらもWordpressの商品ページをやめ、ブログはWordpress、商品はカラーミーショップ と別々に運営するようになったところ目覚ましく改善されました。

オウンドメディア運営は難しい

闇雲にサイトボリュームを増やせばいいというものではない、という事例でした。

「ブログを毎日書いていればアクセスが増えます!アクセス増えれば売れるのも時間の問題ですよ」と簡単そうに言うコンサルさんもたまにいますが、1つのサイトを意図した通りに作っていくのは相当難しいです。

 

下手にサイトボリュームが云々言うよりも、ショップはショップ、ブログはブログ と分けて作っていくほうが良い場合も、実は多いんじゃないのかなと思います。

これからサイトを作っていく方、伸び悩みを感じている人は個別運営も試してみてください。